それほどの
深く深く関わろうとする意識と遠く遠く逃げようとする意識、それらを一緒くたに頭蓋骨の中に収めていると、時折首から上すべてが砕け散りそうな気分になることがある。片方を優先させれば片方が駄々をこね、片方を握り潰せば片方が暴走する。どちらもが大人しく小さな殻の中で三角座りをしていることが最も均衡を保たせるが、続く睨み合いは取り囲む薄い殻に圧力をかけ、破ろうとする。そもそもどちらも消えれば良いのだ。だが知ってしまった以上は記憶は消せない、記憶が消えたとしてもおそらくは同じ結末を辿るだろう。つまりはそれほどの執着だった。
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