ジッサイ



 いやジッサイね、とカマキリみてえなツラして言いやがる。あそこまで一人で責任負うこたなかったでしょ、フツーに。出したの俺らだし。何が普通だ、普通で済む相手ならここまで俺は考えねえよ。浮かんだ言葉の甘ったるさに俺が黙ると、鳩より賢さ低そうな野郎が、いやマジでやべータイミングだったよな、だと。アレ奇跡だよ奇跡、悪い意味で。マジックだよ、マジで。地味にチームに痛手与えようとしてんじゃねえかって感じだったよな。周りにいる奴全員頷くのは、俺を敵に回そうって腹か。それ以上俺に好き放題言いたいんなら、それ相応の実力身につけてからにしとけよ。走り屋としての、仲間としての俺の懇切丁寧なアドバイスは、弱いものいじめ反対、言論の自由を、という乞食の叫びで打ち切りと相成った。
(終)


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