三文芝居
三文芝居には飽きている。好きだ嫌いだ言い合うような歳でもない。いや、そういう歳なのか。そういう歳だから、そういう歳ではないと思いたくなるのか。素直になれない自分を否定しようとするのか。もっと自然にしろというのか。嫌いだとは普通に言える。言うことに大して価値もないからだ。言ってどうなるわけでもないからだ。睨まれたり嫌そうにされたりするが、それ以上は何もない。好きだなどとはとても言えない。言えば否応なしに甘ったるい空気が満ちるだろう。そんなご飯おかわり自由の定食屋のような家庭的なサービスが欲しいのではない。いや、欲しいのか。欲しいから、欲しくないと思いたくなるのか。そういうところに行きたくないのか。自分に近い場所に、招きたくないのか。結局いつも同じことだ。何も変わらない、何も進まない、何も終わらない。何も終わらない。終わらせられないのだ、何も。
(終)
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