- 『若いな…こいつ… 免許とってまだ何年もたってないぐらいの年じゃねーか…?』(P4)
- バトル前、拓海との初対面。
- 1ページ目から中里さんご登場です。どんどん顔の濃度が高まっています。
- 何年も経っていないというか半年も経っていない年だけどまさかそんなこと思わんわなあ。
- ちょっと不思議がっている感じが可愛いですね。
- 『こんな若いガキみたいな奴がなんであれほどのテクニック身につけてるんだ? わけわかんねーぜ、てっきりオレよりずっと年上の奴が出てくると思ってたのにな…』(P4)
- なんでこの人は言葉遣いがきついようで語尾がいちいち柔らかいんだろうていうか可愛いな。
- そしてそんなことを思っていたのか。
- 親父公認で中学生のときから無免許運転してるという発想はなかなか出ないよね。
- ここで少し意表を突かれているんだな。
- 「ナイトキッズの中里だ… そっちの名前は?」(P5)
- 「覚えとくぞその名前 さっそく始めるとすっか…」(P5)
- 拓海が名前だけを言ったのを受けて。
- この拓海のぬけーっとしているともぴしっとしているとも見える微妙なふてぶてしさと堂々たる風情がいいですね。
- 最初から名前を覚えておくと宣言するのもまた一目置いていることを婉曲に示しているのかもしれない。
- 『ストレートでちぎったらもったいねえだろうが… オレはバトルがしたいんだよ!!』(P15)
- バトル開始、後ろから涼介たちはシンデレラ城のミステリーツアーを始め、前のコマで拓海はちゃんと踏んでないなあGT−Rのドライバーと思っているところで。
- 勝つためのバトルか、バトルのためのバトルかというところ。
- もったいないってのが独特の考え方かもしれないな。
- 『本当のスタートはコーナーにはいってからだぜ!』(P15)
- 「おおっ!!(なんだありゃあ…) ふざけやがってあんなオーバーアクションなカニ走りで」(P16)
- コーナー突入、ハチロクのドリフトを初鑑賞。
- 普通に驚いてる顔だ。
- 「このオレについて来れる… わけがねえぜ!!」(P17)
- 上から続いて、グアッとRがいきます。
- この言葉は自信満々なんだよなー。
- 通して読むとなんか面白いです。
- このバトルはやはり中里の個性がバリバリだ。
この回、拓海が初めて「バトルをしている」顔になってるように思えます。あと涼介の服装はどうなんだろう。当時は流行ってたのか。流行ってたんだろうな。ちょっくら釣りでも行きますって感じでもあるけれど、まあ涼介だしな。そしてその涼介にオレでもあそこまでFCをコントロールできないと言わしめる拓海の走り。勝ってくれという啓介の願い。これだけハチロク勝利を予感させる設定で、GT−R側が悪役めいた風にならないのは、中里のキャラづけゆえかなと思います。『クルマ』があってこそというストーリー展開だしなあ。
- 『これだぜ…この感じ!! 全身の血が沸騰したようなこのハイテンション!!これこそバトルだ!!』(P26)
- 先頭が予想通りのGT−Rで、もの凄いドリフトでハチロクが追って行き、高橋涼介のFCは余裕をもって一歩引いた位置から前の二台のバトルを見てる感じ、とギャラリーの方々が解説してくれたあとからです。
- 笑ってるでも踏ん張ってるでもない、真剣でありながらドキドキ感あふれる表情。
- このバトルの感じが味わいたかったのだなあと伝わってきますね。
- 「トコトンつっ走るぜ!! どこまでついて来れる!?」(P26)
- このあと追いつめられるのかなあと思うと、とても挑戦的で暗示的なセリフです。
- 勝利のみに突っ走るのではなく、走りに突っ走るというのがあるから、読んでいてスカッとします。
- 『こういった低速のヘアピンカーブはGT−Rの得意分野だぜ 強力なブレーキで車速さえ落としてやれば』(P30)
- 前ページで涼介のこのあたりから勾配がきつくなる、ダウンヒルスペシャリストの本領はこれからさーという解説があったののち。
- そしてこれが見開き2ページにわたる中里とGT−Rのお話というファンサービスの始まりです。
- 最高だ。
- このダアァアという書き文字を気にし出したらこの話は書き文字だけで表したらどうなるんだろうかと思った。
- しかしみんなGT−R=スカイラインなんだなあ。サバンナにもあったっけ。
- 「下りで前輪(フロント)にはイヤでも荷重が残るからな 最大の泣きどころプッシングアンダーは出にくいぜ!!」(P30)
- ギャアアアとRが走ってます。
- 強力なブレーキで車速を落とし、前輪に荷重を残してうまくやっていくと。
- きちっと説明してくれてますね。
- 「低いギアからの加速は他のどんなクルマよりも得意なんだよ この瞬間がたまんねーぜ!!」(P30)
- 加速してます。
- そういや慎吾も似たようなこと言うっけな。
- 説明が続きます。
- 「剛性たっぷりのボディはビクともしねえ!! サーキットで最強のマシンは公道でも最強だぜ!!」(P31)
- 「リアサイドについているRのバッジは不敗神話のRだ!! オレのRについて来れるか!?」(P31)
- すばらしいファンサービスでした。
- 不敗神話のRにしたところでの「オレのR」という言葉は、「オレの不敗神話」とも取れて一石二鳥です。
- 単位でいうと50中里だな。
- ところで私はいまだにこの『不敗神話のR』という意味がわかりません。
- 伝説だとLだしなあ。
- しっかしよく車内で喋ってくれる。しかも分かりやすく。読者思いだ。
- 『近づいてる ハチロクが追いついて来る!!』(P42)
- 間に親父がイジったのに気付いた拓海がもっと踏んでったり溝に落としたりアニキが本気になってたりして。
- バックミラーを確認しながら驚いてます。
- 『バカな!?』(P42)
- やっぱり驚いています。
- ついてくることは期待していたが、ぐんっと差を縮められることは想定していなかったのかもしれない。
- 追いつめられているのか。
- 追いつめられてるんだろうな。
- 追いつめられているということだ。
涼介さんの中里評も混じっている、読み応え度最高の回でした。
- 『ハチロクが…追いついて来たァ!? くっ なんてこったァ…!?』(P43)
- 前回から引き続いて驚いています。
- 焦ってるのかな。
- これからこそがあなたの期待する沸騰バトルですよ中里さん!
- 『上等だぜそこまでやられちゃ… ハチロクが10年前のクルマだという意識はこれで完全にフッ飛んだぜ!!』(P46)
- 追いかけられつつ。
- あー、もう、こういう言い方がいいですね。ホントにたまりません。
- このときはハチロクが10年前のクルマか。今だともう20年前か。おお、時空のひずみに入りそうだ。
- 『一級品の戦闘力を持ったいいマシンじゃねーかよ 遠慮はしねーぞゾクゾクするくらいうれしいぜ!!』(P46)
- 必死な顔でありながら。
- そりゃ文太さんがいじってるならマシンだわなあ。
- なんだよ、うれしいんじゃん!ならいいじゃん!
- 遠慮してたのか。
- しかしうれしいならばすべてオーケーだ。
- 『こんなおいしいバトルはこのクルマに乗りかえてから初めてだぜ!!』(P46)
- 勝てば特典もあるし、バトル自体でゾクゾクするわけだし、おいしいことこの上ないだろうなあ。
- 乗りかえてからはそんなバトルをしていなかったんですね。
- 乗りかえたあとで相手を待つことはなかったのかな。どういう風にこの時点までやってきていたのか、気になります。
- 『振りきれねえ!!』「(くっ)」『それどころかくいつかれたままの時間がどんどん長くなる!!』(P57)
- 啓介が拓海を褒めたり中里を褒めたりやっぱり拓海を褒めたりしてまさに限界バトルだと表したあと。
- 集中している。
- 「クソッタレー手ごわい!! スッポンみたいにくいつきやがって 生きていてよかったぜえ!!(てなもんだあっ!!)」(P58)
- ガードレールとゴォゴアアが背景。
- 前ページのコマからのつながりを考えると、とても中里です。中里劇場です。
- こんなおいしいキャラをどうやってしげの先生は思いついたんだろう。
- 『ちっ しまった!!』(P62)
- 前輪タイヤのカットのあと。焦っている感じ。
- うまい引きです。
啓介が分かりやすい解説役をしてくれています。そして中里を褒めています。要チェックです。
- 『くっ』(P66)
- 枠線にまたがっているのですがとりあえずこれだけ。
- なぜなら前髪が短いから。
- というのはなく、しかし運転している中里さんはすごい素敵だ。あらゆる意味で。
- 『フロントタイヤの応答性があやしくなってきた アンダー気味だぜ』(P66)
- くんくんステアリングを動かしながら。
- 前回でしまったと言っていたのはつまりこれだと判明。
- 『ABSを効かせながらこじるようなステアリング操作を続けてきたからな… フロントタイヤにかかる負担が考えていたより遥かにでかい…!!』(P67)
- ビリビリビリとなにかがきてます。ああ、唇を噛んでるよ!いいカットだ!
- 考えていた以上にハチロクがすげえということと、それほど負担がかかるバトルを今までやっていないということが想像されます。
- 『厳しくなってきやがったぜ… だけど絶対ハチロクに負けるわけにゃあいかねえっ!!』(P67)
- 上から続いて。擬音と森らしきもののみをバックに。
- この「ハチロクに」というのは、ハチロクなんかにというニュアンスか、カニ走りのFRというニュアンスか、高橋涼介がお前じゃ勝てねーよといったハチロクという存在というニュアンスか。一級品の戦闘力を持っていると認めたのだから、ハチロクなんかにではおかしいが、ドリフトというところでも、勝利を意識するにしても、ハチロクと強調する必要性が微妙かもしれない。
- しかし中里であるのだからハチロクはハチロクなのだろう。
- 厳しくなった、と把握していながら、それでも真っ直ぐいくのだな。
- 何度読んでも分かりやすく、面白い。
- 『この連続ヘアピンで高橋啓介が抜かれるのをオレは見ていたからな!! あのハチロクは路肩の側溝を使ってあやしげなコーナーリングをするんだ…』(P74)
- 五連ヘアピン前、妙義最速の中里が苦戦している、ハチロクのドリフトかっけーとギャラリーさんが仰ったのちに。
- あやしげなコーナーリングて!それがわかってたのか!
- でもこの横顔もいいのでいいです。
- 『内側にとびこませなきゃいいんだろーが インは開けないぜ!!』(P74)
- 『なっ…』(P75)
- 「なにいいっ!?」(P75)
- 「外からだとォー!?」(P76)
- これは中里のセリフですよね。アニメ見たらはっきりするかな。
- というわけで、外からハチロクが攻めてきたことに対して中里さんはなにいいっと言ったのでした。
- 見せ方がいいなあ。
- 「なめてんじゃねーぞっ!!(このガキャー) 外から行かすかよォ!!」
- ギャラリーをすっ飛ばしかけながらハチロクが大外を回ってきたのを受けて(よく考えたらこれも危ないな)。
- ブチッとキレました。
- あー、もー、なにも言うことはないですね。最高のバトルです。
- 「ムカつくぜ!! 外側にウロチョロ出られちゃめざわりでたまんねーや!!」
- また外から行ったあー、ということで、カチーンときましてさてどうなるかと。
- これで中里が冷静に勝ちをもぎとりにいくドライバーであったら、物語的に駄目だったんでしょうね。
- そうなるとそもそもストレートでちゃんと踏んでいなければ成立しないだろうし、踏まれた挙句ミスもされなけりゃ拓海はまず負けるだろうし。
- 中里をムカつかせるようなすげえ走りをする拓海、それを引き立たせる存在でもあって、当人も個性的である中里、このバランスがたまらんです。絶妙です。
GT−Rの挙動がかなりあやしい、と涼介に思われて、次回へ。これ、涼介はハチロクが抜きにかかると言い、啓介はどうやって抜くんだと思ってますが、この時点でもう涼介はハチロクがどうするか、GT−Rがどうなるかをある程度予測してたんでしょうね。そして中里が集中力を失くしているとわかる涼介にこだわりを求めたくなるのがいかんともしがたいところです。そこは押さえとかないとな。ツボだツボ。
- 『屈辱だぜ、大勢ギャラリーが出てる前でいいように外からつつかれちゃあな ムリにインにつこうとするから不自然なラインになって突っこみが甘くなるんだ…』(P84)
- 回の初めから中里です。
- つまりこれは、走りにおいて己と相手に集中するのではなく見物人を意識し出した中里が崩れていく序章であると。
- それはともかく屈辱を味わっている顔のようであるところが萌えます。
- これじゃあ屈辱を味わわせたくなっても仕方がありません。ないんですよ。ないったらないんです、ええ。
- 『クルマ一台がギリギリはいれない程度によせるだけでいいはずだぜ!! それならもっと進入スピードをあげられるぜ!!』(P84)
- 上のコマから続いて。
- ダブルで「ぜ」がくるところがいいねえ。
- そうか、中里って突っ込み重視なんだもんな。ガスッと突っ込みゴワッと抜ける。そしてタイヤに負担がかかると。
- 『ハチロクが外側にラインを振ったァ!! (うおーしゃ!!) インには来ねえな…!!』(P85)
- とバックミラーを見て確認する。
- ここらあたりにはもう拓海の視点が入ってこないから、読者としては中里視点でハチロクのすごさを体感する形になっていますね。
- そういう役回りもこなしてくれる中里という人物は親しみやすい性格なのだと私は勝手に解釈します。
- しかし本当に、いくらGT−Rを自慢しようがなにしようが、嫌味が感じられないのが素敵です。
- まあ主観です。
- 『さっきまでいたところにハチロクがいない どこへ行った!?』(P86)
- というわけでギリギリ一台通れないはずのスペースをあけた中里、バックミラーを見て「げっ」と驚く。
- ひゅんっとハチロクが消えてしまったわけで。
- 慌ててます。
- 『まさか!?(!!)』(P86)
- 「(うわっ!!)」(P87)
- わー驚いてるー。
- 1ページ丸々、Rとインにこじいってくるハチロクのカット。
- これ溝落としじゃなくて縁石に乗り上げながら走ってたのか。
- 無理矢理いったなー。
- 『(しまったァア) 肝心なところでアンダーを出しちまったぜっ!!』(P88)
- 驚愕のミス。
- これはアンダーを出したからハチロクが入ってきたのか、ハチロクが入ってきたからアンダーを出しちまったのか。
- でも縁石に乗り上げてまで入ってくるとは普通考えないよなあ。
- でそのままスピードを落とさずハチロクが走るってことは、そのあとに中里がミスをしたのか。
- それはそれとして、この顔もいいものだ。
- 『外へ行くと見せかけておいてフルブレーキングしながらラインをかえやがったァ!? ハチロクとはあんなことができるクルマなのかァ!?』(P89)
- 驚いてる驚いてる。
- 驚きながらも拓海の行為を読者にちゃんと説明してくれています。
- 『鮮やかなもんだぜ、だけどこれで勝ったと思うなよ!! このまま並んで立ち上がれば2速全開の加速でオレは前に出れるんだ!!』(P89)
- 上から続いて、いよいよ大詰めです。
- これで出れたらなあ。
- 「RB26の底力を 見せつけてやるぜ!!」(P89)
- ハチロクと少し並んでRがくる前方からのカット。
- これで見せつけられたらなあ。
- 「(!!)」(P90)
- 「(!!)」(P90)
- 「…」(P92)
- 急にスライドしたGT−Rの右のリアがガードレールにヒットしたぞーとギャラリーさんが叫び、380馬力(ってこのギャラリーもなんでそこまで知ってんだ)が荒れ狂いながらも、涼介がそれを華麗にパスし、スカイラインはしーんと止まったのだった。その直後である。
- ほっとしたようにふーうと息を吐きます。
- ああっ、前髪がおりてる!片目をつむっている!おいこりゃあ可愛いなあ!
- 『負けた… オレとGT−Rがバトルで負けた……?』(P92)
- 『いや違う…負けたのはオレだ GT−R(こいつ)がハチロクに負けたわけじゃねえ…』(P93)
- クルマから降りながら思う。この呆然としているような、納得しているような表情がまたいい。
- 「オレ」が強調されています。
- コーナー勝負に持ち込まずにミスもしなければ勝ちは明らかだったろうしなあ。
- しかしそれじゃあストーリーとして面白味もないものだ、というか漫画が終わってしまう。
- 『あんな凄い走り屋がいやがるとはな…』(P93)
- 引き続き、煙草を咥えながら。
- これで拓海が現役高校生だと知ったらイイリアクションをしてくれそうだな。
- 『ショックはショックだけど、不思議とさわやかな気分だぜ』(P93)
- ここまでちゃんと中里を描かれると、感情移入せざるを得ないのですよ。
- 『全力を出しきって負けたんだからな…』「(いってーな…)(また板金7万円コースかな…)」(P93)
- Rの右のリアを見ながら煙草に火を点けて。
- 動きながら思っている、この生活感ってのがね。たまりませんね。
- このまた板金七万円コースかな、というのが数ある中里のセリフの中でも大好きです。全力を出しきって負けた、という風にバトルを振り返りながら、次のことを考えている。親近感がわきます。まあでもどのセリフでも好きです。中里ですから。
- 『ウデをみがいてもう一度チャレンジするさ』「(次は負けねーぞちくしょう)」(P93)
- 煙草を咥えつつ煙を吐き出しながら。ふーっと。
- さわやかな思いといってーなという思いと挑戦心が入り混じっているような、いい顔です。
- 次があればなあ。
- この頃はまだモミアゲと頬の影がはっきりと区別されていない。
- 『世の中にゃー凄い奴がいるもんだ 峠は奥が深いぜ』(P94)
- これがこの巻最後の中里のセリフである。
- 11ページから93ページまで続いたこのバトルをすべて丸くおさめる言葉です。
- 清々しいですね。
- 峠は奥が深いぜ、これもいいセリフだ。
中里が負け、涼介がハチロクをしとめる宣言したり、拓海になにか思うところがありそうだったりと、一つ区切りとなる回かもしれません。妄想の働かせどころですね。拓海が思うのはクルマが欲しいということですが、そこに他のことをねじこませてみたり、あのハチロクはいいぜとか思っている涼介の隙間にもねじこませてみたり、フリーダムです。あとこの巻から慎吾が出るのですが、いやあ悪役だ。パッション中里のあとにこういうあからさまなヒールが次に出てくるあたりが緩急ついてていいですね。